2023年に「30系アルファード」はフルモデルチェンジが予定されています。
今後は新型への乗り換え需要に伴い、多くの30系アルファードが中古車市場に出回ることが予想されます。
しかし、「乗り出し価格」「グレード」「装備」など、どれを選べばいいか迷いませんか?
- SCパッケージが有名だけど実際どうなの?
- 付いてる装備はなんでもいいの?
- おすすめの中古車はどれ?
- 売り時なんてあるの?
30系アルファードを所有するなら必ず知っておくべきことがあります。
「グレード」「リセールに影響する装備」「売り時」などなど。
この記事では、30系アルファード前期後期5台乗り継いできて、実際に所有して感じたことをまとめました。
アルファードについて詳しくない方も、今後流通する30系アルファードでベストな1台を見つけるために、ぜひ参考にしてください。
30系アルファードの前期と後期の違い
まず、前期型と後期型の違いから解説します。
30系アルファードがデビューしたのが2015年1月でした。
そして、2018年1月にマイナーチェンジがありました。
このマイナーチェンジにより「前期型(2015年~)・後期型(2018年~)」に区別されるようになりました。
これが前期型(マイナーチェンジ前)の外観です。
※画像はタイプゴールドです。
これが後期型(マイナーチェンジ後)の外観です。
外観の主な変更点はフロントマスクです!
マイナーチェンジなので多くの変更点がありましたが、その中でも安全性能が飛躍的に向上しました。
全グレードに、第二世代の「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」が標準装備されたからです。
前期型は、Executive Loungeの除き、メーカーオプション扱いでした
しかも、従来のミリ波レーダーに単体カメラが追加され、前期型よりはるかに安全性能が向上しています。
後期型の中でも、私が特におすすめしたいのが、2020年1月の一部改良から搭載された「9インチディスプレイオーディオ」が搭載されたモデル。
近年のトヨタ車は従来のカーナビではなく、ディスプレイオーディオが標準装備されています。
今後の中古車市場のことを考えると、このディスプレイオーディオモデルが主流になり、リセールバリューの面においても有利になると予想されます。
30系後期アルファードのグレードラインナップ
次はグレードです。
- Executive Lounge(ノーマルボディ)
- GFグレード(ノーマルボディ)
- Sグレード(エアロボディ)
- Xグレード(ノーマルボディ)
「Executive Lounge」から下に行くほど、価格は安くなります。
Executive Loungeは本体価格700万円を超えます……
この4つのグレードの中で、一番人気があるのがエアロボディの「Sグレード」です。
このSグレードから派生したのが、今回解説する「2.5SCパッケージ」になります。
ちなみに特別仕様車のタイプゴールドもSグレードからの派生モデルです
SCとSCパッケージは名前が似ていますが、主な違いはエンジンです。
・SC・・・3.5リッターV6エンジン
・SCパッケージ・・・2.5リッター直4エンジン
ここから、実際に今所有しているSCパッケージと、20系で乗っていたタイプゴールドについて解説します。
SCパッケージ
30系アルファードはリセールバリューが非常に高い車で有名ですが、その理由は日本国内だけではなく、東南アジア諸国(主にマレーシア・タイ・香港など)でとても人気があり、輸出されているからなんです。
もちろん、現地でもアルファードの新車は買えます。
ですが、新車販売価格が非常に高額で、日本ほどグレード展開がありません。
日本で新車のアルファードを購入する場合、値引きを含めると約500万円で購入できるのが一般的ですが、現地ではその2~3倍の価格で販売されています。
新車価格よりも安く、グレードや装備が充実した、日本仕様のアルファードが人気なんです!
その中でも突出してリセールバリューが高いといわれているのが、2.5SCパッケージ(2WD)になります。
私も30系後期のアルファードは、すべて2.5SCパッケージを契約してきました。
ここで、SCパッケージについて気になる点を解説していきます。
実際にSCパッケージを所有して感じたメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
リセールがいい エグゼクティブパワーシート搭載 前席温熱&ベンチレーシェンシート 合成皮革シートの質感が高い メモリー機能付きパワーシート 2.3列目サンシェードあり SC専用アルミホイール | 取付できないチャイルドシートがある ウォークスルーができない 2列目がスーパーリラックスモードにできない |
メリットは、やはり「エグゼクティブパワーシート」搭載のおかげで、内装の質感が高いことだと思います。
シート生地と形状が全然違うので、それだけで豪華に見えるんですよね。
また、「ベンチレーションシート」のおかげで皮シートの弱点である夏場の蒸れを軽減できたり、メモリー機能付きシートはボタン一つで自分のシートポジションに変更できたりと、快適装備がたくさんあって非常に使い勝手がいいです。
デメリットは、小さなお子さんがいるご家庭で注意が必要なこと。
SCパッケージは本来、大人がリラックスして使うことを前提としてるグレードなので、子育てにガンガン使うには少々不便なところがあるんですよね。
たとえば取り付けできないチャイルドシートがあったり、前席から後席へのウォークスルーがしずらいなど。
エグゼクティブパワーシートは横に壁があるので、大型の回転式チャイルドシートは使うことができません……
でも、それ以外はデメリットに感じるところもなく、総じて満足度が高いグレードです。
海外でも人気があるグレードなのが納得できますよ!
タイプゴールド
こちらは国内で大人気のタイプゴールド。
フロントマスクのエンブレムが金色です!
SCパッケージとの一番の違いは内装、特にシートの形状が違います。
タイプゴールドはシートアレンジが多彩な上、ウォークスルーも可能なので、子育て世代には非常に使い勝手に優れています。
運転席と助手席の間にあるコンソールボックスが、SCパッケージのように大型ではないので、後部座席に移動がしやすいのが特徴です。
赤ちゃんが後部座席で泣いても、タイプゴールドならスムーズに座席移動できるので安心ですよ!
もう一つは、「タイプゴールド」「S、SAパッケージ」は、ペットがいるご家庭にもすごくオススメなんです。
なぜなら、2列目がスーパーリラックスモードになり足元空間が非常に広くなるので、そこにペットケージを置いて、人もペットも快適にドライブを楽しむことができるからです。
実際に20系でタイプゴールドに乗っていましたが、大型犬のケージをのせての長距離ドライブも快適にできました!
我が家はリセールと快適装備が気に入ったので30系ではSCパッケージを選びましたが、リセールバリューより使い勝手を優先する方は、「タイプゴールド」や「S、SAパッケージ」のほうが満足度は高いと思います。
SCパッケージのリセールバリューが良すぎるだけで、国産車の中ではタイプゴールドのリセールはかなり優秀ですよ!
30系後期アルファードのパワートレイン
- 3.5リッターV6エンジン(ハイオク)
- 2.5リッター直4エンジン(ガソリン)
- 2.5リッターハイブリッド(ガソリン)
40系アルファードは3.5リッターが廃止され、ヴェルファイアに新たに2.4リッターターボエンジンが設定されたので、そうなればV6エンジンモデルの価値が上がるかもしれませんね。
ハイブリッドも人気ですが、2.5リッターモデルに比べ本体価格が約100万円も高いのが痛いところでしょうか。
現在のリセールバリューは2.5リッターのガソリンエンジンに軍配が上がります
ちなみに輸出に強いといわれるSCパッケージのパワートレインは、2.5リッターのガソリンモデル(2WD)になります。
30系後期アルファードのボディカラー
これは「パールホワイト(070)」or「ブラック(202)」から選ぶのがいいでしょう。
他の車種でも、特に色の好みがなければ買取査定のときに安く買い叩かれないために、この2カラーから選ぶのが鉄則です。
パールホワイトとブラックならリセール差は気にしなくていいので、自分の好みで選んで大丈夫です。
私は4台パールホワイト(070)で、1台をブラック(202)にしました!
ただし、トヨタ202ブラックは、むちゃくちゃ傷が入りやすくお手入れが非常に大変なので、あまり洗車をしない方は管理が楽なパールホワイトにしたほうがいいと思います。
でも、202ブラックは洗車のやりがいがあるカラーなので、洗車が大好きな人にはオススメですよ!
\ 圧倒的な艶・撥水・耐久性/
30系後期アルファードのメーカーオプション
ここからは、購入時にチェックするべき主要なメーカーオプションについて解説していきます。
- メーカーオプション
-
クルマを工場でつくるときに取り付けるオプション
- ディーラーオプション
-
新車が工場で完成して、ディーラーに到着後に取り付けるオプション(例えば、フロアマットやバイザー、モデリスタエアロなど)
メーカーオプションは、新車を注文するときにしか選べないオプションとなります。
アルファードは、付いてるメーカーオプションによって買取金額が変わるので必ず確認しましょう!
3種の神器
30系後期になってから、「3種の神器」といわれるメーカーオプションが主流となりました。
・ツインムーンルーフ…121,000円
・デジタルインナーミラー&BSM付…110,000円
・スペアタイヤ…11,000円
ツインムーンルーフ(サンルーフ)
デジタルインナーミラー&ブラインドスポットモニター(BSM)
スペアタイヤ
この3種の神器の中でも、特に重要になるのは「ツインムーンルーフ」です。
アルファードの輸出先によっては、サンルーフが装備されているのが当たり前の国もあるので、短期乗り換えをお考えの人は、ぜひとも選んでおきたいオプションです。
ツインムーンルーフはリセールにかなり影響するので、乗りつぶす予定がなければ、なるべく付いているものを選んだほうがいいですよ!
そして「デジタルインナーミラー&ブラインドスポットモニター(BSM)」もあったほうがいいオプションです。
ブラインドスポットモニターは最近の新型車には標準装備されている車種も多く、車線変更時やバック駐車時の安全性能も向上するので安心です。
最後は「スペアタイヤ」。
タイヤがパンクしてしまったときに必要になるものです。
海外では日本のように道路が舗装されていないところが多いので、輸出先によってはスペアタイヤが必須の国もあります。
3種の神器の中では付いてなくてもあまり気にしなくていい装備です
もし装備されていれば、トランクの右側床下収納に付いているので確認してみてください。
新車登録から5年以内でアルファードを売却する方や、高年式のアルファードの短期乗り換えを考えている方は「3種の神器」付きがオススメです。
ちなみに、3眼LEDヘッドライトは、2020年の改良でSCパーッケージに標準装備となりました。
改良前のSCパッケージは、3眼は標準装備ではなかったので、メーカーオプションとして付いてるかどうかを、ハザードボタンを押して確認しましょう。
シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)なら3眼LEDヘッドライト付きです。
3眼LEDヘッドライトは、当時リセールに大きく影響していたので、忘れずにチェックしましょう!
10.5インチメーカーナビ+JBLプレミアムサラウンドシステム
続いては、10.5インチのメーカーオプションナビです。
前席ナビと、後席モニターのセットで、約95万円する高額なオプションです。
このJBLナビが付いている車輛の場合は、必ず後部座席にリアエンタもセットで付いているかどうかを確認しましょう。
前席だけJBLナビが付いていても、リアエンタがないとリセール率が圧倒的に悪くなるんです。
前後セットではじめてリセールに反映される装備といっても過言ではありません
13.3インチリアシートエンターテインメントシステム
売却するときに買取店に安く買い叩かれる原因にもなるので、JBL付きをお考えの方は、リアエンタの有無は必ずチェックしましょう!
またJBLナビ付の場合は、モデリスタエアロと一緒に付けたほうがリセールバリューが上がることもあるので、モデリスタエアロが付いていればなおよしですよ。
逆に、購入する立場ではリアエンタがないJBL付きは価格も安いと思うので、リセールを考えなければ非常にお買い得ですよ。
- グレード:2.5SCパーケージ(2WD)
- ボディカラー:パールホワイト(070)orブラック(202)
- メーカーオプション:ツインムーンルーフ・デジタルインナーミラー・(スペアタイヤ)
30系後期アルファードの新車乗り出し価格
中古車を選ぶときに、新車時にいくらが乗り出し価格だったのかを知っておくのも大切です。
買おうとしている車がお得なのか?反対に割高なのか?など参考にしてみてください。
※値引き幅はどうしても地域差があり、オプションの選択により値引き幅や総支払額も変わりますので、価格はあくまで参考程度にしてください。
値引き60万円前後。
乗り出し価格は455万円~470万円。
値引き65万円前後。
乗り出し価格は530万円~550万円。
JBL仕様については、こちらの記事でまとめているので気になる方は参考にして下さい!
30系アルファードの初度登録月
輸出されるアルファードの場合、初度登録月もリセールに影響するといわれています。
初度登録年月とは、日本国内で初めて登録(車検証が交付)された年と月のことです。
その中古車を買った年月ではありません!
中古車の場合これから自分が購入して車検証に登録される年月ではなく、「最初の所有者による登録月が基準」になるので、くれぐれもご注意ください。
車検証を確認すればすぐにわかりますよ!
なぜ初度登録月が影響するのか?
例えば、「2022年12月登録」と「2023年1月登録」の中古車があるとします。
実質は1か月しか変わらないのに、年をまたげば1年古く見えてしまいますよね。
仕向国によっては、新しい年式が好まれるようなので、そう考えれば1月が最も有利なのがわかります。
反対に、11月や12月登録は避けたほうが無難だということです。
実際に「1~3月登録」だと強気に買取ってもらえる買取店もあるので、登録月もチェックする価値がありますよ。
アルファードは5年経過に要注意!
ここは重要ポイントです!
初年度登録から5年以内(正確には59か月以内)
いわゆる5年ルールです。
これはアルファードの主な輸出先であるマレーシアに関係します。
理由はマレーシアでは輸入できるのが「初度登録月からの経過月数が12ヵ月から59ヵ月までの車」という中古車輸入規制があるからです。
つまり、上記期間以外の車両はマレーシアへは輸出できません。
例えば初度登録年月が令和5年4月だった場合、令和6年4月〜令和10年3月が輸出対象の車両になります。
実は中古車を海外へ輸出するには、仕向国の輸入規制をクリアする必要があります。
例えば「右ハンドルしか輸入できない国」「初年度から10年以内しか輸入できない国」「年式規制(経過年数)により関税が変わる国」など、各国で中古車を輸入するには様々な規制があるんです。
マレーシアでは登録から59か月を過ぎると輸出できなくなるので、買取額が大きく下がる原因となってしまいます。
乗りつぶすなら問題ないですが、短期乗り換えを考えるなら損失を少なくするためにも、「59か月の規制」は要チェックです。
実際には56か月目までに売却できるように余裕をもって動くことをオススメします!
反対に、購入資金を抑えたいなら5年経過したアルファードは狙い目ということです。
理由は5年経過したアルファードの買取額は大きく値下がりするからです。
買取額が下がれば店頭価格は当然安くなります。
乗りつぶすなら5年経過したアルファードのコスパがいいですよ!
まとめ
ここまで30系アルファードの中古車の選び方について解説してきました。
アルファードはファミリーカーとしてトップクラスのリセールバリューです。
付いてる装備や売り時にしながら、上手に乗り換えればこれまでのカーライフは劇的に変わります。
今後は多くの30系アルファードが中古車市場に出回るので、この記事を参考に、皆様にとってベストなアルファードが見つかることを願っています!