2024年5月20日、トヨタ新型シエンタの一部改良モデルが発表されました。
この記事では、今回の改良で変わったポイントを中心に、実際にハイブリッドZグレードを所有している現オーナーの視点から詳しく解説します。
ポイントは以下のとおりです。
- 主な改良点7つの内容と影響
- 改良後の価格変更
- Zグレードで見積もった乗り出し価格
- 少しだけリセールバリューの話も
「改良された内容はどこ?」「今買うならどう選ぶべき?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
新型シエンタ7つの主な改良点
まずは、2024年モデルで行われた7つの主な改良内容を見ていきましょう。
今回の一部改良のなかでも❶と❷はとくに注目すべきポイントです。
全体的には、これまで人気の高かったオプション装備が一部グレードで標準装備化された印象です。
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
10.5インチディスプレイオーディオPlusの標準化

2024年の一部改良では、「10.5インチディスプレイオーディオPlus」がZグレードに標準装備化されました。
この変更は、今回の価格アップの主な要因といえます。
改良前までは、Zグレード・Gグレードともに89,100円のメーカーオプション扱いでしたが、多くのユーザーが追加していた装備のひとつ。

この装備はリセールバリューにも影響していたので、付けていた方が多い印象です
実際に私も装着していますが、画面が大きく、画質も鮮明で、ナビとしての使い勝手も良好です。
エンタメ性や利便性を重視したい方には、非常に満足度の高い装備だと思います。
パノラミックビューモニターの標準化


2024年の一部改良で、Zグレード・Gグレードに「パノラミックビューモニター」が標準装備となりました。
これまで全グレードでメーカーオプションだったため、こちらも装備追加による価格アップ要因のひとつ。



この装備もリセールでは重視される項目のひとつです!
高性能タイプを希望するなら?
注意点として、「より高精度なパノラミックビュー」を求める方は、「トヨタチームメイト(アドバンストパーク)」を選ぶ必要があります。
- 価格:66,000円(※改良前の93,500円から値下げ)
- 特徴:自動駐車、後方歩行者対応、周囲静止物認識、床下透過表示機能など







私はチームメイト付きで契約しましたが、画質の違いにも満足しています!
なお、「チームメイト」はリセールバリューに大きな影響はないとされていますが、駐車が苦手な方には特におすすめの装備です。
カラーバリエーションの変更


今回の改良では、ホワイトパールクリスタルシャイン(070)が廃止され、代わりに「プラチナホワイトパールマイカ(089)」が新たに採用されました。
オプション料金はこれまでと同様の33,000円(税込)です。



従来よりも白味が強く、より明るく上品な印象に見える色味です!
「プラチナホワイトパールマイカ」はすでに新型プリウスや新型アルファードなどでも採用されており、今後のトヨタの基準パールホワイトになっていくことが予想されます。
ツートンカラーの変更にも注目
さらにツートンカラーでは、「ダークグレー×グレイッシュブルー」が廃止され、新たに「ダークグレー×アーバンカーキ」が登場しました。
こちらのオプション価格は55,000円(税込)です。


アーバンカーキは単色でも人気が高く、今回のツートンではアウトドアテイストのカラーリングとして注目されそうです。
リセールバリューに影響するカラーは?
私が2023年に購入した際は「パールホワイト」「ブラック」「カーキ」「ベージュ」いずれのカラーもリセール差はほとんどありませんでした。
しかし最近の相場では、やや「パールホワイト」、その次に「ブラック」が有利な傾向にあります。
少しでも高く売りたいとお考えの方には、無難な選択としてこの2色がおすすめです。
ハイブリッドエンブレムの変更




見比べても、正直“間違い探しレベル”の変更点です。



車に詳しくない方にはわからないと思います……
新型プリウスや新型アルファードなどと同様、新しい「HEV(ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)」エンブレムへと変更されました。
これはトヨタのハイブリッド車に今後順次採用される新しいデザイン統一の一環です。
見た目の変化はわずかですが、最新モデルであることのひとつの目印になりますね。
スマートエントリー&スタートシステムの標準化


こちらはXグレードのみの改良内容になります。
XグレードにもZ/Gグレードと同じく、リモコンキーとプッシュボタンでエンジンが始動できるようになりました。
これで全グレードに「スマートエントリー&スタートシステム」が標準装備となりました。
デジタルキーの新規設定


今回の改良で、Z/Gグレードに限り「デジタルキー」が新たに設定されました(※メーカーオプション)。
オプション料金は 33,000円(税込)
スマートフォンに専用アプリを入れることで、スマホがそのままクルマの鍵になる便利な機能です。



スマートキーは邪魔になるときがあるので便利そうですね
外部給電アタッチメントの追加


ドアと窓を閉じたまま電源コードを車外に出して給電できる外部給電アタッチメントが追加され、利便性が向上されました。



どうやら雨天時にも雨も防げるみたいですよ
以上の7つが、今回実施された一部改良の内容です。
次の章では価格について解説していきます。
【改良後】シエンタの価格一覧表
続いては、多くの方が気になる価格について。
今回の一部改良では装備が充実した分、価格もアップしています。
以下の表では、上段が旧価格/下段が改良後の新価格となっています。変更幅を確認しながら、装備の違いも合わせてチェックしてみてください。
エンジン | 人数 | すべて126,600円UP | Zグレードすべて37,500円UP | Gグレードハイブリッド10,000円UP ガソリン45,200円UP | Xグレード
---|---|---|---|---|
HYBRID | 7人 | 3,036,600円 | 2,727,500円 | 2,430,000円 |
5人 | 2,996,600円 | 2,687,500円 | 2,390,000円 | |
ガソリン | 7人 | 2,377,500円 | 2,035,200円 | |
5人 | 2,646,600円 | 2,337,500円 | 1,995,200円 | |
HYBRID (E-Four) | 7人 | 3,234,600円 | 2,925,500円 | 2,628,000円 |
5人 | 3,194,600円 | 2,885,500円 | 2,588,000円 |



すべてのグレードで値上げされました……
- 「10.5インチディスプレイオーディオPlus」の標準化
- 「パノラミックビューモニター」の標準化
※126,600円の値上げ
- 「パノラミックビューモニター」の標準化
※37,500円の値上げ
たしかに今回の改良では値上げがありましたが、たとえば改良前のZグレードに「10.5インチディスプレイオーディオPlus」と「パノラミックビューモニター」をオプションで付けようとしていた方にとっては、実質の値上げは約1万円ほどにとどまります。
その一方で、「10.5インチもパノラマも要らない」という方にとっては、必要のない装備に約13万円を払うことになってしまうため、やや割高に感じるかもしれません。



13万円も払って、いらなかった装備が付いてきたら……正直ちょっと損した気分ですよね
しかしここで注目したいのが、リセールバリューの観点です。
とくにZ/Gグレードについては、今回の改良が必ずしもマイナスではないと感じています。
る装備が標準化された今回の改良は、決して悲観する内容ではないというのが、私の正直な感想です。
なぜなら……
- 10.5インチディスプレイオーディオPlus
- パノラミックビューモニター
は、シエンタのリセールに最も影響を与える装備といえるからです。



実際にオートオークションで高値落札されている車両は、ほとんどがこの2つの装備付きです!
つまり、この2つが付いていることで、将来の売却時に強気で交渉できる材料になります。
反対に、どちらも付いていない車両だと、査定額が控えめに見積もられてしまう可能性が高いです。
このように、リセールバリューに直結する装備が標準化された今回の一部改良は、見方を変えれば「ありがたい仕様変更」とも言えるかもしれません。



Z/Gグレードの方にとっては、今回の改良は決して悲観すべきものではありません!
【改良後】シエンタハイブリッドZの見積り
2024年一部改良モデルのハイブリッドZグレードについて、ディーラーで実際に見積もりを取ってみました。





無駄を省いた、現実的な見積もりです!
登録月によって税金などが変動するため、あくまで目安ではありますが、改良前と比べて実質1万円程度の値上げという結果になりました。





ただし、私は駐車システムがより高性能な「トヨタチームメイト」を選択しました
改良後ハイブリッドZグレード(参考価格)
- 値引き…20万円
- 乗り出し価格…303万円



ディーラー担当者いわく、「パパヒラさんが買うなら、値引きは20万円でお願いします」とのことでした。改良直後のタイミングにしては、なかなかの好条件です!
参考までに、以下の3点を選択すると、さらに値引きが増える可能性があります。
- ガラスコーティング
- メンテナンスパック
- ローン契約(残価設定含む)
この中で一つでも該当するなら、もう少し値引きが増えるかもしれないので、頑張ってみてください。



このあたりはディーラーの利益が大きいので、値引き交渉の材料になります!
とはいえ、値引き額は地域差があります。
とくに「トヨタモビリティ〇〇」などの統合ディーラー地域では値引きが渋い傾向があるようなので、あくまで参考情報としてご覧ください。
【改良後】シエンタハイブリッドの納期は早い
- ガソリン…約3か月
- ハイブリッド…約2か月
※去年は「ガソリンが半年」「ハイブリッドが4~5か月」でした。
現在、トヨタ車の中ではシエンタの納期はかなり早い部類です。
とくに「リセールはあまり気にせず、家族で早く乗りたい!」という方にとっては、確実に朗報といえますね。
2024年5月現在、新型シエンタの中古相場は上昇傾向にあり、オークションでも高値落札されているようです。しかし、今回のように納期が一気に早まると、中古市場の在庫が増えやすくなり、相場が急落する可能性もあります。



乗り換えを前提に考えている方は「納期」と「市場動向」のバランスにも注意しておきましょう!
まとめ
ここまで、2024年5月20日に実施された新型シエンタの一部改良内容について、現オーナー目線で詳しく解説してきました。
今回の一部改良では、外装・内装に大きな変更こそありませんが、もともと人気の高かった装備の標準化が中心となっており、全体としては実用性がしっかりと底上げされた印象です。
また、値上げはあったものの、10.5インチディスプレイオーディオPlusやパノラミックビューモニターの標準化により、リセールバリューに有利になるポイントが増えたことも事実です。
価格だけを見ると「値上げ」ですが、装備の充実度と将来の下取り価格をふまえると、むしろ満足度の高い改良だと感じました。
これから新型シエンタの購入を検討されている方は、ぜひ今回の内容を参考にしていただき、ご自身に合ったグレードや装備を選んでみてください。
リセール目線でのオプション選びについては、こちらの記事で詳しくまとめています



